詐欺の電話は、こちらを焦らせて考える時間を奪います。一度切る、自分でかけ直す、家族に相談する。入り口で被害を止める合言葉と、危ない言い回しの見分け方をまとめました。
知らない番号から電話が鳴る。相手はこちらの名前を知っていて、口調は落ち着いている。そして「今日中に手続きしないと大変なことになる」と言う。こう言われた瞬間から、判断力は落ち始めます。
被害に遭う人が油断していたわけではありません。そういう状態に追い込む技術が使われています。だからこそ、その場で考えるのではなく、先に決めておくことが防御になります。
この記事でわかること
- 電話を使った詐欺が共通して使う「焦らせ方」
- とっさに思い出せる三つの合言葉
- 危険信号になる言い回し
- 家族と共有しておく備えと、相談先の考え方
共通しているのは「考えさせないこと」
手口は次々に変わりますが、狙いはいつも同じです。今すぐ、今日中に、誰にも言わないで。時間と相談相手を奪えば、こちらは一人で決めるしかなくなります。
逆に言えば、時間をかけること、誰かに話すことが、そのまま対策になります。難しい知識はいりません。立ち止まる仕組みを、電話が鳴る前に用意しておくだけです。
三つの合言葉を決めておく
紙に大きく書いて、電話のそばに貼っておくのが手軽です。焦っているときに読める場所であることが大切です。
1. いったん切る。お金やカードの話が出たら、相手が何を言っても一度切る
2. 自分でかけ直す。相手が伝えた番号ではなく、通帳や公式の案内に載っている番号にかける
3. 家族に相談する。一人で決めない、というルールにする
本当の用件なら、切っても後で困りません。相手が「切らないでください」と強く言うほど、切る理由が増えたと考えてよいでしょう。
危険信号になる言い回し
次のような話が出たら、内容の正しさを検討する前に電話を切って構いません。
- キャッシュカードを預かる、暗証番号を教えてほしい
- 還付金や返金があるので、今からATMへ行ってほしい
- 支払いのために、コンビニで電子マネーを買ってきてほしい
- このことは家族にも言わないでほしい
- 電話を切らずに、そのまま向かってほしい
支払い手段を指定してくる、他人に相談させない、こちらを移動させる。この三つがそろったら、かなり危ないと考えられています。
家の備えを整える
- 留守番電話を常にオンにして、知らない番号は一度受けない
- 着信の番号表示を活用し、心当たりのない番号には出ない
- 通話が録音される機能のある電話機に切り替える
- 家族の本当の連絡先を、紙にも書いて電話のそばに置く
録音される旨のアナウンスが流れるだけで、相手が切ってしまうこともあるとされています。出ないこと自体が有効な防御です。
家族で共有しておく
離れて暮らす家族がいる場合は、次のことを事前に決めておくと効果があります。
- お金の話は必ず本人に直接かけ直して確認する
- 家族だけが知っている確認事項を一つ決めておく
- 高齢の家族には、迷ったらまず自分に電話してほしいと伝える
話してしまった、払ってしまったとき
慌てても、できることはあります。順番を決めておきましょう。
1. 一人で抱えず、すぐ家族に話す
2. カードや口座の情報を伝えた場合は、金融機関に連絡して止められるか相談する
3. 警察や消費生活の相談窓口に、経緯をそのまま伝える
4. 通話の時間や相手の話した内容を、覚えている範囲で書き出す
恥ずかしさから黙ってしまうと、被害が広がりやすくなります。お金を渡す前であれば、間に合う可能性は高いと言われています。
よくある質問
Q. 相手が警察や銀行の名前を出してきました
本物であっても、こちらから公式の番号にかけ直して確認すれば問題ありません。かけ直しを嫌がるかどうかが、判断の手がかりになります。
Q. 暗証番号を聞かれるのは普通のことですか
金融機関や警察が電話で暗証番号を尋ねることはないとされています。聞かれた時点で切ってよい話です。
Q. 家族に伝えても聞いてもらえません
注意を促すより、合言葉を紙に書いて電話のそばに一緒に貼るほうが受け入れられやすいです。物として残るぶん、いざというときに効きます。
まとめ
覚えるのは「切る・かけ直す・相談」の三つだけです。焦らされたと感じたら、それ自体が合図だと考えてください。手口も相談の窓口も変わることがあるため、具体的な対応は警察や消費生活センターなどの公的な窓口に確認してください。