きれいなノートほど見返していない。原因は目的が定まっていないことです。記録・整理・思考の3役の分け方、隠して思い出せるページの作り方、復習の間隔と思い出す練習のしかたを紹介します。
きれいに書いたノートを見返していないことに、試験前に気づく。板書を写すのに必死で、内容が頭に残っていない。ノートの悩みは、書き方ではなく「何のために書いたか」があいまいなことから来ています。
この記事でわかること
- ノートに求める役割を3つに分ける考え方
- 授業中と授業後で、書く内容を変える方法
- 見返す前提でページを作る工夫
- 復習の間隔と、思い出す練習のしかた
前提として、ノートは作品ではありません。あとで自分が使う道具です。見た目の完成度と、記憶への効き方は別物とされています。
こんな人に向いています
- ノートを取っているのに成績が上がらない人
- 板書を写すだけで授業が終わってしまう人
- 資格試験や学び直しで、教材の量が多い人
- 何度も同じところを忘れてしまう人
ノートに求める役割を決める
役割が混ざると、使いにくいノートになります。
- 記録:あとで確認するための情報を残す
- 整理:関係を並べ替え、つながりを見えるようにする
- 思考:自分の疑問や言い換えを書き足す
授業中は記録に寄せ、整理と思考はその日のうちに足すのが扱いやすい流れです。
ページを3つの領域に分ける
1ページを分割して使う方法は、復習との相性がよいとされています。
- 中央の広い部分:授業や教材の内容
- 左の細い列:あとで自分に出す問いやキーワード
- 下の数行:その日に分かったことを自分の言葉で1文か2文
左の列を隠せば、そのまま小テストとして使えます。
色と図は用途を固定する
- 色は3色までに絞り、意味を決めて使う
- 例えば、覚える語、理由やつながり、自分の疑問
- 色を増やすと判断に時間がかかり、書く速度が落ちます
- 矢印と囲みだけでも、原因と結果は十分に表せます
きれいに見せるために色を足すより、意味を固定するほうが効きます。
見返す間隔をあらかじめ決める
思い出す作業には間隔が必要とされています。
- その日のうちに一度、短く見返す
- 数日後にもう一度、何も見ずに思い出してから確認する
- 週末に、全体を見渡して抜けを探す
大切なのは、読み直すより先に「思い出そうとする」ことです。読むだけでは、分かった感覚だけが残りやすいと言われています。
思い出す練習に変える書き方
- 覚えたい内容は、答えを隠せる形で書く
- 説明を求める問いにする。「何年か」より「なぜそうなったか」
- 自分の言葉で言い換える。教材の文をそのまま写さない
- 間違えた箇所に日付を書き、同じ箇所が繰り返されるかを追う
手書きとデジタルの使い分け
どちらが優れているかではなく、工程で分けると迷いません。理解しながら書き取る段階は手書きが向いているとされ、検索して探す、資料を貼る、繰り返し編集する段階はデジタルが向いています。手書きのページを撮影してデジタルにまとめる併用も現実的です。
やりがちな失敗
- 板書を一字も落とさず写し、内容を考える余裕がなくなる
- 清書用のノートを作り、書き写す作業で満足する
- 教科ごとに分けすぎて、どこに書いたか分からなくなる
- 余白をとらず、後から書き足せない
- 試験直前に、初めて全ページを読み始める
よくある質問
Q. ノートを取らずに教材に書き込むのは駄目ですか
問題ありません。余白があるなら、そこに問いと言い換えを書き足す方法は効率的です。要点は、あとで思い出す練習ができる形になっているかどうかです。
Q. 書くのが遅く、授業に追いつけません
すべてを写す必要はありません。図や長い引用は印をつけて場所だけ記録し、あとで教材を参照します。空欄と記号を使い、授業後に補う前提へ切り替えてください。
Q. まとめノートを作る時間がありません
作らない選択も有効です。まとめの目的は整理なので、既存のページに見出しと索引を足すだけでも代わりになります。時間が限られている場合は、思い出す練習に時間を割くほうが効果が出やすいとされています。
まとめ
- ノートは記録・整理・思考の3役。授業中と授業後で役割を分ける
- ページを分割し、隠して思い出せる形にしておく
- 読み直すより、何も見ずに思い出す回数を増やす