毛糸と針を買ってはみたけれど、最初の目を作るところで止まってしまった。編み物でつまずく人の多くは、難しい技術ではなく始め方でつまずきます。
編み物は、覚えることが少ない趣味です。棒針なら、表目と裏目の二つが分かれば作品になります。残りは練習で手が覚えていく部分で、知識として詰め込む必要はありません。
逆に、最初に欲張ってセーターから入ると終わりが見えずに挫折しやすいとも言われます。小さく完成させて、できた感触を先に味わうのが続けるコツです。
この記事でわかること
- 棒針とかぎ針、どちらから始めると楽か
- 最初に必要な道具と、後回しでよい道具
- 覚える編み方は二つで足りるという考え方
- 完成の喜びを早く得るための、作品の順番
- 目が合わない、編地が広がるといった症状の直し方
こんな人に向いています
- 手を動かして気持ちを落ち着けたい人
- 道具を買ったまま、始められずにいる人
- 不器用だと思い込んで避けてきた人
- 誰かに贈るものを自分の手で作りたい人
棒針とかぎ針、どちらから始めるか
どちらが優れているという話ではありません。作りたいものと、手に合う動作で選びます。
- 棒針: 編地が伸びやすく、身につけるものに向く。同じ動作の繰り返しが長く続く
- かぎ針: 1目ずつ完結するため間違いに気づきやすく、ほどいて直すのも簡単
- 面を広く編みたいなら棒針、細かい形や立体を作りたいならかぎ針
- 迷うなら、ほどきやすいかぎ針で手の動かし方に慣れる進め方もある
ここでは、作品の幅が広い棒針を中心に進めます。
最初に揃えるものと、後回しでよいもの
必要なものは意外に少なく、最初から全部買う必要はありません。
- 必ず必要: 編み針、毛糸、糸切りばさみ、とじ針
- あると楽: 段数を数える目印、まち針、メジャー
- 後回しでよい: 輪に編む用の針、太さの違う針のセット、専用の収納
- 使わなくなりがち: 用途の限られた補助具
毛糸は、太めで色の明るいものが扱いやすいとされています。細い糸や濃い色、毛足の長い糸は目が見えづらく、最初の練習には向きません。針の太さは、毛糸の帯に書かれた目安に合わせます。
覚える編み方は二つでいい
棒針の基本は、作り目のあとに表目と裏目を組み合わせるだけです。
- 全段を表目で編むと、両面が同じ見た目になる編地になる
- 表目の段と裏目の段を交互にすると、表に縦の筋が並ぶ編地になる
- 1目ごとに表目と裏目を入れ替えると、縦に伸びる編地になる
- 編み終わりは、目を止める処理をして針から外す
この操作だけで、小物からマフラーまで作れます。目を増やす、減らす技法は、必要な作品に出会ってから覚えれば間に合います。
作品はこの順番で進める
完成までの時間が短いものから始めると、手の感覚が定着しやすくなります。
- 1つめ: 四角いもの。コースターや鍋敷きなど。糸と針の持ち方に慣れる段階
- 2つめ: 細長いもの。マフラーやヘアバンドなど。目の大きさをそろえる練習
- 3つめ: 筒状のもの。手首を覆う小物など。輪に編む、またはとじる作業を覚える
- 4つめ: 形のあるもの。帽子や靴下など。増やす、減らすが必要になる
一つ終えるたびに編地を見比べてください。最初の作品より目がそろっていれば、それが上達の証拠です。
つまずきやすい点と直し方
- 目数が合わない: 毎段の終わりに数える習慣をつける。段ごとに目印を置くと気づける
- 編地が横に広がる、または縮む: 糸を引く強さが一定でないことが原因。力をゆるめて同じリズムで編む
- 針から目が落ちた: 慌てずにかぎ針で拾い上げる。落ちた段まで戻してやり直してもよい
- 途中でやめると場所を忘れる: 段数と、どちらの面を編んでいたかを書き残す
毛糸の選び方を一歩進める
素材で仕上がりが変わります。あたたかさ、洗いやすさ、肌へのあたりの三つで考えると選びやすくなります。
- 動物性の繊維: あたたかく編みやすい一方、洗い方に気をつける必要がある
- 化学繊維: 扱いやすく、家庭で洗える表示のものが多い
- 植物性の繊維: 春夏の小物に向く。伸びにくいので目の大きさがそのまま出る
- 混ぜた糸: 両方の性質をあわせたもの。最初の数作品に向く
肌が敏感な人や、贈る相手の体質が分からない場合は、肌に直接触れない小物から試すと安心です。
保管と手の負担
編みかけの作品は、目が落ちないよう針の端を留めて袋に入れます。毛糸は湿気と虫を避け、袋や箱にまとめて保管します。長時間続けると手首や肩に負担がかかるため、区切りを決めて休憩を挟んでください。痛みが続く場合は無理をせず、必要に応じて専門家に相談しましょう。
よくある質問
Q. 左利きでも編めますか
編めます。解説の向きと手が逆になるため、鏡に映した動きとして捉えるか、左利き向けの説明を探すと理解が早くなります。
Q. 編み図が読めません
最初は、文章で手順が書かれたものから始めてよいでしょう。記号は数が限られているので、作品を作りながら出てきたものだけ覚えていけば十分です。
Q. 失敗したらほどくしかないのでしょうか
数段前までなら、順にほどいて編み直せます。間違いの場所が遠い場合、作品として許せる範囲なら進めてしまう判断もあります。小物なら、やり直しても時間はそれほどかかりません。
Q. どのくらいで形になりますか
小さな四角いものなら、数回の作業で終わることが多いとされています。かかる時間は糸の太さや手の速さで変わるので、目安として捉えてください。
まとめ
- 覚えるのは表目と裏目の二つ。残りは手が覚える部分
- 太めで明るい色の糸と、帯に合った太さの針から始めると見やすい
- 四角い小物から段階的に進め、完成ごとに目のそろい方を見比べる