EV充電インフラの現状把握
2021年時点で、日本の公共充電スタンドは約30,000基。一見多そうですが、同時期の給油所は約40,000基のため、インフラ整備ペースはまだ緒についたばかり。自宅にコンセントがある人は「毎晩充電」で通勤往復距離はカバーできますが、集合住宅や駐車場なし物件の住民は、外出先の充電施設に頼るしかありません。この「充電格差」が、EV普及を遅らせている大きな要因です。
電気自動車がほしいけど、充電スタンドは足りてるの?自宅充電できない人はどうする?現場の課題を取材で掘り下げました。
2021年時点で、日本の公共充電スタンドは約30,000基。一見多そうですが、同時期の給油所は約40,000基のため、インフラ整備ペースはまだ緒についたばかり。自宅にコンセントがある人は「毎晩充電」で通勤往復距離はカバーできますが、集合住宅や駐車場なし物件の住民は、外出先の充電施設に頼るしかありません。この「充電格差」が、EV普及を遅らせている大きな要因です。
自宅充電は「100V普通充電」(自宅コンセント利用、月5,000〜10,000円の電気代)と「200V急速充電」(専用工事約50万円、月10,000円程度)に分かれます。100V充電なら毎晩8時間で約80km走行分のバッテリー回復。毎日50km以下の通勤・買い物なら充分ですが、少しでも遠出するなら不安。200V設置なら3時間で80km回復でき、ストレスが圧倒的に少なくなります。
公共施設の充電スタンドは、①急速充電(DC、30分で80%)②普通充電(AC、2〜4時間で80%)に大別。高速道路PAには急速充電が集中し、商業施設では普通充電が主流です。料金体系もばらばら。日産・テスラなど車種ごとの会員プラン、あるいは1回毎の利用料金(1,000〜2,000円)。充電待機列ができる人気スタンドもあり、「充電難民」化するリスクもあります。
高速道路でのEV利用は、まだ完全には実用的ではありません。例えば東京→大阪(約400km)は、1回の充電では不可能。中間で1〜2回充電停止を入れると、ガソリン車なら5時間で着く距離が7〜8時間かかります。急速充電スタンドが「高速道路に50km間隔」くらいで整備されるまで、長距離遠出はリスク。ただし「圏央道沿線のみで活動」「月1回の帰省が限度」という限定的な使用なら、すでに実用圏内です。
EV愛用者は、充電スタンド情報を事前に調べ「この日の移動はここで充電」と計画する必要があります。充電スタンドを検索するアプリ(GoGoEV等)を常用し、リアルタイムで「空いているか」「対応している車種か」を確認。出かける前に充電率と目的地を考え、「往路は○○で充電、帰路は△△で充電」と綿密に立てる。これは自動車文化の「どこでも好きなだけ走れる」という自由度を大きく制限します。
政府は2030年までに、全国で150,000基の充電スタンド整備を目標にしています(現在の5倍)。その達成で、ようやく「充電の心配をせず乗れるEV」時代が来るイメージ。また自宅充電設置補助(最大200万円)や、新築住宅への充電設備義務化なども進行中です。ただこのペースだと、本当に快適にEVを乗りこなせる環境は、2028〜2030年頃がターゲット。それまでは、「条件付きEV」(自宅充電完備、短距離利用想定)での購入を慎重に検討すべき時期です。