住宅改修は「先回り」が肝心

介護保険を使った住宅改修には支給限度があり、原則として一人あたり一定額までという枠が設けられています。だからこそ、思いつきで一か所ずつ直すより、暮らし全体を見て優先順位をつけたほうが結果的に得をします。

わが家ではまず父の一日の動線を紙に書き出しました。寝室からトイレ、トイレから洗面、玄関の上がり框。歩く順番をたどると、危ない場所が自然に浮かび上がってきます。

効果が高かった改修ベスト3

  • トイレの縦手すり:立ち座りの動作が一番つらいので、ここは外せません。横ではなく縦向きが踏ん張りやすかったです。
  • 玄関の上がり框の手すりと踏み台:転倒リスクが集中する場所。式台をひとつ足すだけで負担が激減しました。
  • 廊下の連続手すり:壁づたいに歩く人には、途切れない手すりが安心感を生みます。

逆に「つけたけど使わなかった」のが浴室の天井近くの手すり。位置が高すぎて握れませんでした。本人の身長と動作をよく見ることが大事です。

業者選びと申請の順番を間違えない

改修費の補助は、工事前の申請が原則です。先に工事してしまうと対象外になることがあるので、必ずケアマネジャーに相談してから動いてください。流れはおおむねこうです。

  • ケアマネに相談し、改修プランを相談
  • 事前申請(見積書や図面を提出)
  • 工事
  • 領収書などを添えて支給申請

業者は「介護リフォームの実績があるか」で選ぶと失敗が少ないです。健常者向けのきれいなリフォームと、介護向けの実用本位の改修は別物。手すりの太さや高さをミリ単位で本人に合わせてくれる業者は信頼できます。

小さな工夫も侮れない

大がかりな工事をしなくても、滑り止めマットや置くだけの手すり、段差スロープなど、福祉用具のレンタルや購入で対応できる場面も多いです。まずは小さく試して、本当に必要なところに本格改修を入れる。この順番が無駄を減らします。