「省エネ」の札だけでは選べません。年間消費電力量の差から電気代の変化を出し、本体価格の差を何年で取り戻せるかまで計算する手順を、買い替えの優先順位とあわせて解説します。電卓ひとつでできます。
売り場では「省エネ」と書かれた札があちこちに下がっています。しかし省エネという言葉だけでは、比較の基準が分かりません。同じ売り場に並ぶ二台のうち、どちらが自分の家で電気代を下げるのかは、書かれた数字を使って自分で計算しないと判断できません。
この記事でわかること
- 表示されている数値のうち、比較に使えるものはどれか
- 電気代の差と、本体価格の差を回収するまでの年数の出し方
- 買い替えの優先順位を決める考え方
- 型落ち品や中古を選ぶときの判断材料
前提として、表示されている年間の消費電力量は決められた条件で測った値です。実際の使い方では変わります。製品間の順位を比べる材料としては有効ですが、そのままの金額が出るわけではありません。
こんな人に向いています
- 家電の買い替えで、価格と電気代のどちらを重視すべきか迷っている人
- 星の数やラベルの意味を正しく知りたい人
- 古い家電をいつまで使うか決めたい人
- 電気代を下げたいが、どこから手をつけるか分からない人
ラベルの数値は「同じ種類の中だけ」で比べる
省エネ性能の表示は、製品の種類ごとに基準が設けられています。星の数や達成の度合いは、同じ種類の製品同士を比べるための指標です。冷蔵庫と洗濯機の星を並べても意味はありません。
- 比べるときは、同じ種類、近い容量や大きさの製品で並べる
- 星の数は目安。実際の差は年間の消費電力量の数値で見る
- 容量が違う製品同士では、消費電力量の絶対値も変わります
電気代の差を自分で計算する
必要な数字は三つだけです。電卓で出せます。
- 候補それぞれの年間消費電力量を書き出す
- その差を求める。これが1年で減る電力の量
- 自宅の電気料金の単価を、検針票や契約内容から確認する
- 差に単価をかける。これが1年で変わる金額のおおよその値
単価は契約や地域によって違うので、一般的な平均値ではなく自分の明細から取るのが要点です。
本体価格の差を何年で取り戻せるか
省エネ性能の高い製品は本体が高いことが多く、そこを含めて判断します。
- 本体価格の差を、1年で変わる金額で割る
- 出た年数が、使う予定の年数より短ければ得になりやすい
- 逆に使う年数より長ければ、安い製品を選ぶほうが合う場合がある
- 設置や処分の費用も、価格差に含めて考える
買い替えの優先順位
限られた予算なら、効果の出やすい家電から替えるほうが結果が見えます。
- 一年中動き続けるもの:電源を切らずに使う家電
- 使う時間が長く、季節で負荷が大きいもの:冷暖房を担う家電
- 古さの差が大きいもの:年数が経つほど、現行品との差が出やすい
- 使用頻度が低いものは、性能差が金額に表れにくい
やりがちな失敗
- 値引き額だけを見て、年間の消費電力量を確認しない
- 大きすぎる容量を選び、使わない空間や水量にも電力を使う
- 設置環境を無視する。放熱の余裕がないと性能どおりに働きません
- 壊れていない家電を次々に買い替え、製造と処分の負担を増やす
使い方でも差は出る
同じ製品でも、置き方と使い方で消費は変わります。買い替えと同時に見直すと効果が重なります。
- 放熱の隙間を確保する。壁や他の家具に密着させない
- 設定を確かめる。強さや温度を必要以上に上げていないか
- フィルターや排気口の掃除を定期的に行う
- 使っていない機器の電源を見直す
型落ち品と中古の判断
安さは魅力ですが、電気代と保証を含めて考えます。
- 型落ち品:現行品との消費電力量の差を確認し、価格差と比べる
- 中古品:使用年数が分からないものは、消耗の度合いも見えません
- 保証の有無と期間。修理に出せるかどうかは、長く使うほど重要になります
よくある質問
Q. 古い家電はすぐ買い替えたほうが得ですか
種類によって違います。長時間動き続ける家電では差が出やすい一方、使用時間の短い家電では価格差を取り戻せないこともあります。年間消費電力量の差と本体価格の差を並べて計算するのが確実です。
Q. 表示されている年間の電気代と実際が合いません
表示は決められた条件で測った値をもとにしています。家族の人数、室温、開閉の回数、設定などで実際の消費は変わります。製品間の順位を比べる材料として使うのが本来の役割です。
Q. 省エネ性能が高い製品は機能が少ないのですか
必ずしもそうではありません。ただし付加機能が増えると価格も上がるため、使わない機能に払っていないかは確認したいところです。必要な機能を先に書き出しておくと選びやすくなります。
まとめ
- 比べるのは同じ種類・近い容量の製品同士に限る
- 年間消費電力量の差に、自宅の明細から取った単価をかけて金額を出す
- 価格差を回収する年数と、使う予定の年数を並べて判断する