クラフトビールの棚の前で立ち尽くす。ラベルには見慣れない横文字が並び、値段は普段のビールより高い。外したくないと思うほど手が伸びなくなる、という経験はないでしょうか。
クラフトビールが難しく感じられるのは、種類の呼び名が味の説明になっていないからです。ただ、いくつかの代表的なスタイルと、それぞれが苦味と香りのどちら寄りかを知るだけで、選択はぐっと楽になります。銘柄を覚える必要はありません。
この記事でわかること
- スタイルという分類が、味の何を表しているのか
- 最初の一杯をどう選ぶかの考え方
- 買える場所ごとの選びやすさの違い
- 温度とグラスで味わいが変わる理由
- 食事との組み合わせを決める単純な基準
こんな人に向いています
- 専門店や酒売り場で毎回同じものを選んでしまう人
- 苦いビールが苦手で、飲めるものを探している人
- 贈り物としてビールを選ぶ必要がある人
- 飲み比べを楽しみたいが、どこから手をつけるか迷っている人
お酒は二十歳になってから。体質や体調によって適量は大きく異なります。妊娠中や授乳中の方、車を運転する方は飲まないでください。
スタイルは「苦味と香りの方向」を示している
クラフトビールの分類は、原料や製法の違いから生まれます。飲み手の立場では、苦味の強さと香りの傾向を示す目印と考えると実用的です。
- ホップの香りと苦味が前に出るもの
- 麦の甘さやこうばしさが中心のもの
- 小麦を使い、軽やかな香りが立つもの
- 焙煎した麦由来の、深く重い風味をもつもの
- 酸味を主役にしたもの
ラベルにスタイル名が書かれていることが多いので、気に入った一杯のスタイル名を覚えておくと、次に選ぶときの手がかりになります。
最初の一杯は「苦味を控えめ」から
入口で強い苦味のものを選ぶと、そこで終わってしまうことがあります。
- 普段のビールが苦手なら、香りが華やかで苦味の穏やかなものから始める
- 普段からビールを飲むなら、ホップの香りが立つものに進むと違いが分かりやすい
- 甘いものが好きなら、焙煎の風味があるタイプが合う場合があります
飲み比べができる店なら、少量ずつ数種類を頼むのが最短です。自分がどの方向を好むかは、説明を読むより飲んだほうが早く分かります。
買う場所によって選びやすさが変わる
同じ商品でも、買う場所によって得られる情報量が違います。
- 専門店では、好みを伝えると条件に合うものを絞ってもらえることが多い
- 醸造所に併設された店では、造り手から直接説明を聞ける場合があります
- 通信販売は種類が豊富ですが、届くまで味の見当がつきにくい
- 定期的に届く形の販売は、自分では選ばないものに出会える利点があります
最初のうちは、説明してもらえる場所で買ったほうが失敗が減ります。
温度とグラスで印象が変わる
同じ一本でも、出し方で感じ方は変わります。
- 冷やしすぎると香りが立ちにくくなるとされています
- 香りを楽しみたいタイプは、少し温度を上げてから飲むと印象が変わります
- 口がすぼまった形のグラスは香りを集めやすい
- 泡はふたの役割を果たし、香りの抜けを抑えると言われています
注ぐときは最初に勢いをつけて泡を作り、その後ゆっくり注ぎ足すと落ち着いた泡になります。
料理と合わせる基準は「強さをそろえる」
ペアリングは難しく考える必要がありません。
- 味の濃い料理には風味の強いビール、あっさりした料理には軽いビールを合わせる
- 脂の多い料理には、苦味や炭酸で口の中をさっぱりさせるタイプが合いやすい
- 甘い菓子には、焙煎の香ばしさをもつタイプが合わせやすいとされています
迷ったときは、その土地の料理にその土地のビールを合わせる、という考え方も外れにくい選択です。
楽しむうえでの注意点
クラフトビールは種類が多く、飲み比べるほど杯数が増えやすい飲み物です。度数が高めのスタイルもあり、いつもの感覚で飲み続けると想定より酔いが回ることがあります。水を一緒に飲みながら、量を意識して楽しんでください。
保存にも気を配る価値があります。香りを重視したタイプは、時間の経過や光、温度の変化で風味が変わりやすいと言われています。買ったら早めに飲み切り、直射日光の当たらない涼しい場所に置くのが基本です。体質的にお酒が合わない人もいるため、無理に勧めないことも大切です。
よくある質問
Q. 苦いビールが苦手でも楽しめますか
楽しめます。クラフトビールには苦味が穏やかで、香りや酸味が主役のスタイルもあります。売り場で苦手な要素を伝えれば、それを避けた提案を受けられることが多いです。
Q. 高いものほどおいしいのですか
価格は原料や製法、流通の条件で決まるため、味の好みと一致するとは限りません。自分の好むスタイルが分かってくると、価格に関係なく満足できる選択がしやすくなります。
Q. 缶と瓶で味は変わりますか
容器によって光や酸素の影響の受け方が変わるとされていますが、造り手の設計や保存状態のほうが影響は大きいと考えられます。どちらであっても、涼しい場所で保管し早めに飲むことが基本です。
まとめ
- 銘柄ではなくスタイルを覚えると、次の一本を選びやすくなる
- 最初は苦味の穏やかなものから入り、好みの方向を確かめる
- 温度と泡、料理との強さのそろえ方で、同じ一本の印象は変わる