子どもを音楽好きにする鍵は、教える量ではありません。聞く経験の作り方、年齢ごとの関わりの変化、家にある物で音を出す遊び、習い事を始める判断とやめてよい条件までをまとめました。
歌わせようとすると嫌がる。習わせたのに練習を渋る。子どもと音楽の関係は、教える量を増やすほどうまくいかなくなることがあります。
この記事でわかること
- 音楽が子どもの育ちに関わるとされる理由
- 年齢に応じた関わり方の変化
- 習い事を始める判断と、続かないときの見方
- 親がやりがちな、興味をそぐ関わり
前提として、目的を「上手にすること」に置くか「好きにすること」に置くかで、関わり方は大きく変わります。この記事は後者を前提にしています。
こんな人に向いています
- 子どもに音楽を楽しんでほしい保護者
- 習い事を始める時期を迷っている人
- 自分は楽器ができないが、家庭で何かしたい人
- 練習をめぐって子どもと衝突している人
音楽は「聞く力」から始まる
歌や演奏の前に、音を聞き分ける経験が土台になるとされています。
- 生活音に名前をつけて一緒に聞く。雨、風、電車、包丁の音
- 静かな時間をつくる。音が鳴り続けている環境では聞き分けが育ちにくい
- 音量を上げすぎない。小さな音に耳を澄ます体験を大切にする
言葉のリズムや高低を聞き取る経験は、話す力とも関わりがあると考えられています。
年齢による関わり方の変わり方
月齢や年齢の区切りは目安で、個人差が大きい点を先に置きます。
- 乳児期:大人の声や静かな音楽。音量を控え、表情と声を合わせる
- よちよち歩きの時期:手遊びや体を揺らす遊び。正しさより一緒に動くこと
- 就学前:歌う、たたく、真似をする。役を決めた遊びも入れられる
- 就学後:自分で選ぶ経験。好きな曲を自分で見つけられるようにする
共通して効くのは、大人が楽しんでいる姿を見せることです。
家にあるもので音を作る
高い楽器は必要ありません。
- 空き容器に豆や米を入れて振る
- 鍋やボウルをたたき、音の高さの違いを比べる
- 手拍子でまねっこ遊びをする。まず大人、次に子ども
- 歌詞を替えて遊ぶ。順番や言葉を変えるだけで笑いが生まれる
音を出すことが許されている家であること自体が、大きな環境になります。
楽器や教室を考える時期
- 本人が触りたがるかが、年齢より優先されます
- 短い時間でも座っていられるか、姿勢を保てるかを見る
- 体格に合う大きさの楽器があるかを確認する
- 体験の機会があれば、先生と子どもの相性を見る
- 送迎や練習の時間を家庭が続けられるかも判断材料です
始める前に、やめてよい条件を家族で決めておくと、あとで追い込みにくくなります。
練習をめぐって衝突しないために
- 時間を長くするより、毎日触る回数を優先する
- できた部分を先に言葉にする。直す点は1つに絞る
- 大人が採点役にならない。聞き役に回る
- 発表の場は、本人が望む範囲にとどめる
「才能がない」と決めつけない
上達の速さは、興味の向き先や体の発達によって差が出ます。早い遅いを兄弟や他の子と比べると、本人が音楽そのものを避けるようになりかねません。伸び方は一定ではなく、止まって見える時期のあとに変わることもあるとされています。
やりがちな失敗
- 練習の回数を管理し、できない日を責める
- 好みのジャンルを大人が決め、他を否定する
- 長時間、大きな音量で音楽を流し続ける
- 発表会を目的にしてしまい、終わった後に続かない
よくある質問
Q. 何歳から習わせるとよいですか
一般的な目安は語られますが、体の発達や集中の続き方には個人差が大きく、一律には決められません。本人の関心と、教室側が受け入れている年齢の条件を合わせて判断してください。
Q. 親が音楽をやったことがなくても大丈夫ですか
問題ありません。一緒に聞く、まねをする、感想を言い合うだけでも関わりは成り立ちます。教える役ではなく、聞く相手になるほうが続きやすいとされています。
Q. 音の大きさが心配です。耳への影響はありますか
大きな音を長時間聞く環境は避けたほうがよいとされています。ヘッドホンの使用や音量について不安がある場合は、最終的に小児科や耳鼻科など専門家に確認してください。
まとめ
- 演奏より先に、聞く経験と静かな時間を用意する
- 家にある物で音を出し、大人が楽しむ姿を見せる
- 習い事は本人の関心を基準に、やめてよい条件も決めておく