つまみ細工は、小さな布を折りたたんで花の形をつくる日本の手仕事です。道具は少なく、最初の一輪なら半日で形になります。基本の折り方から髪飾りへの仕上げ、練習の順番までまとめました。
和装の髪飾りに並ぶ、細かな花の飾り。あれは布を切って縫っているのではなく、小さな四角い布を折りたたんで作られています。それがつまみ細工です。針をほとんど使わず、折って貼るという工程が中心なので、裁縫が苦手な人でも取り組めます。一方で、指先の力加減がそのまま形に出るため、慣れるほどに仕上がりが変わっていく奥行きもあります。
この記事でわかること
- つまみ細工がどんな手仕事なのか
- 最初にそろえる道具と布の考え方
- 基本となる二種類の折り方の違い
- 花に組み立てて髪飾りにするまでの流れ
つまみ細工は、江戸時代に髪飾りとして広まったとされています。いまも七五三や成人式の飾りに使われるほか、ブローチやピアスなど日常づかいの小物にも応用されています。使う布は正絹が本来ですが、練習の段階では扱いやすい木綿や、家にある端切れでも十分です。
そろえる道具は多くない
はじめから専用品をそろえる必要はありません。
- 布: 一辺が数センチの正方形に切ったもの。同じ大きさに切りそろえるのが大事です
- ピンセット: 先が細く、まっすぐなものが扱いやすいとされています
- でんぷん糊または木工用の接着剤: 布に合うものを選びます
- 台紙と土台: 厚紙、ヘアクリップ、ブローチの金具など
- ピンセットを置く小皿と、指をふく布
布を切る前にアイロンでしわを伸ばしておくと、折り目がそろいます。
基本その一 剣つまみ
細くとがった花びらになる折り方です。菊や花火のような、放射状に広がる花に向いています。
- 正方形を三角に折る
- さらに半分に折って、細い形にする
- 底の部分を切りそろえ、ひらいた側をつまんで整える
先がとがっているほど、できあがりが引き締まって見えます。
基本その二 丸つまみ
こちらは丸みのある花びらです。梅や桜のような、やわらかい花に使います。
- 正方形を三角に折る
- 両端を内側に折り込む
- 折った辺を外側に返し、丸みをつくる
同じ布でも、折り込む深さで丸みの印象が変わります。数枚作って並べ、いちばん好きな形を覚えておきましょう。
花に組み立てる
花びらがそろったら、台紙の上に円を描くように並べていきます。
- 最初に上下左右の四枚を置き、間を埋める順で貼ると均等になります
- 中心にビーズや小さな布玉を置くと、貼り付けの粗さが隠れます
- 接着剤が乾く前なら角度を直せますが、乾くと動かせません
- 一晩おいてから、髪飾りの金具に取り付けます
仕上がりを左右する小さなコツ
- 布の端はほつれやすいので、切ったらすぐに折る作業へ進む
- 花びらの数は奇数にすると、全体がまとまって見えるとされています
- 濃い色と淡い色を重ねると、小さな花でも立体感が出ます
- 同じ花を三つ作ると、三つ目でようやく手が慣れてきます
火であぶってほつれを止める方法もありますが、やけどや煙の心配があります。行うなら換気をして、水を近くに置いてからにしましょう。子どもと一緒に作る場合は、この工程は省いて構いません。
よくある質問
Q. 不器用でも作れますか
細かい作業ではありますが、同じ折り方を繰り返すだけです。最初の数枚は形がそろわなくても、花にしてしまえば気になりません。
Q. 古い着物の布を使ってもよいですか
しみや生地の弱りがなければ使えます。思い出のある布を小物にして残す使い方は、つまみ細工のよさが生きる方法です。
Q. 完成までどれくらいかかりますか
小さな一輪の髪飾りなら、慣れないうちでも半日程度が目安です。接着剤を乾かす時間は別に見ておきましょう。
まとめ
折る、貼る、並べる。つまみ細工の工程はこの三つだけです。まずは同じ布で花びらを十枚折ってみてください。手が動きを覚えたころには、思っていたより整った花ができているはずです。