浴室の目地が黒ずんで、こすっても戻らない。そんなときは掃除ではなく打ち替えの出番です。必要な道具の選び方から、古いコーキングの撤去、充填、ならしまでの手順と、初心者がつまずきやすいポイントを順に解説します。
浴室の目地のゴム(コーキング)は、数年使ううちに黒ずみが内部まで入り込み、漂白剤でも戻らなくなります。「こすっても落ちない」「カビ取り剤を使っても翌週には黒い」という状態なら、掃除ではなく打ち替えの段階です。とはいえ、はじめての人は「切って剥がすなんて浴室を壊しそう」と不安になりますよね。
この記事でわかること
- 打ち替えが必要かどうかの見きわめ方
- そろえる道具と、選ぶコーキング材の種類
- 撤去から仕上げまでの手順と、失敗しやすい場所
- やってはいけないこと、業者に任せたほうがよい場合
コーキングの役割を知っておく
コーキングは見た目を整える部材ではなく、水が壁の内側へ入るのを防ぐ止水材です。だから剥がれや切れを放置すると、壁の中の下地が湿り、被害が大きくなることがあるとされています。逆に言えば、黒カビだけで切れも浮きもない段階なら、無理に打ち替えなくてよい場合もあります。判断の目安は次のとおりです。
- 表面が黒いだけで弾力がある → まだ様子を見てよいことが多い
- 指で押すと沈む、ちぎれる、めくれる → 打ち替えどき
- 目地の奥から水がしみる感じがある → 早めに対処
道具と材料をそろえる
ホームセンターや通販でひととおりそろいます。価格は店や時期で変わるため、ここでは種類だけ挙げます。
- コーキング材(浴室用・防カビタイプ)
- コーキングガン
- マスキングテープ(細めの幅が扱いやすい)
- カッター、ならし用のヘラ、いらない布
- アルコールなどの脱脂に使えるもの
選ぶうえで大事なのは種類です。酸性のにおいが強いタイプは金属をいためることがあるとされ、浴室では変成シリコン系の浴室用が無難です。パッケージの「浴室用」「防カビ」「変成シリコン」の表記を必ず確認してください。
手順1 古いコーキングを取り切る
仕上がりの大半はここで決まります。カッターの刃を目地の両端に深く入れ、コの字に切り目を入れてから、古いゴムを帯のように引き抜きます。
- 一気に引くとちぎれるので、少しずつ引く
- 残った薄い膜もカッターの背やヘラでこそげ落とす
- 刃を立てすぎず、浴槽や壁に傷を入れない
古いゴムが残っていると、新しいコーキングはその上に乗るだけで密着せず、数か月で浮いてきます。
手順2 しっかり乾かす
撤去後はアルコールなどで拭いて脱脂し、換気しながら十分に乾かします。半日ほどみておくと安心です。水分が残っていると密着不良の原因になり、せっかく打ったものが早く剥がれます。
手順3 打って、ならして、すぐ剥がす
目地の上下にわずかな隙間をあけてマスキングテープを貼り、ガンを一定の速さで動かして充填します。
- 長い距離を一度に打たず、短く区切って進める
- ならすヘラや指はわずかに濡らすと引っかかりにくい
- ならしたら、乾く前にテープを剥がすのが鉄則
乾いてから剥がすと、縁が引っ張られてガタガタになります。テープを剥がす作業まで含めて一区間、と考えて進めてください。
硬化までの過ごし方
表面が固まっても、内部はまだ固まっていません。製品の表示にある硬化時間を守り、その間は浴室に水をかけないようにします。一般には一日程度みておくと安心とされています。急いで入浴すると、表面が白くにごったり、密着が甘くなることがあります。
自分でやらないほうがよい場合
- 浴槽と壁のあいだから水が回っている気配がある
- ユニットバスの部材そのものにひび割れがある
- 天井近くなど、体勢が危ない場所
こうした場合は下地の補修が必要になることがあります。判断に迷うときは、管理会社や施工業者に見てもらってください。賃貸住宅なら、手を入れる前に必ず管理側へ確認します。
よくある質問
Q. カビ取り剤で黒ずみは戻りませんか
表面の汚れなら落ちますが、ゴムの内部まで入り込んだ黒ずみは薬剤では戻らないとされています。弾力が残っていれば見た目の問題として付き合い、切れたら打ち替える、という判断で十分です。
Q. 上から重ね打ちしてもいいですか
おすすめしません。古い層との境目から浮きやすく、結局やり直しになります。手間でも撤去してから打ってください。
Q. まっすぐ打てる自信がありません
マスキングテープがガイドになるので、はみ出しはあまり気になりません。むしろ、短く区切って打つこと、乾く前にテープを剥がすことのほうが仕上がりに効きます。
まとめ
打ち替えは「撤去を丁寧に」「しっかり乾かす」「乾く前にテープを剥がす」の三点を守れば、初めてでも見ちがえるほどきれいになります。焦らず、換気をしながら進めてください。